特徴と役割

 長野地方卸売市場は、入場企業によって建設された、全国で最大規模の「民設民営」の総合卸売市場です。
 市場は、地方公共団体が開設する中央卸売市場と公設地方卸売市場、及び卸売業者などの民間企業が開設する民設地方卸売市場とに卸売市場法上分けられます。当市場は、中央卸売市場に匹敵する民設民営市場となります。
 現在、各地の公設市場が運営上さまざまな問題をかかえ、そのために卸売市場法が改正されたわけですが、当民設市場は開設当初より民間活力を効率的に発揮して、健全に運営してきたことは特に誇りとするところです。
 青果部門では従たる取扱品目として花卉を、また水産部門では食肉を従たる品目として取扱う総合卸売機能の確立した近代的な地方卸売市場となっています。更に柔軟性を生かし、消費者・買受人のニーズに応じた幅広い品揃えにより、40万弱の人口をかかえる長野市を中核とした100万商圏人口の台所をまかなう卸売市場として、流通環境の変化に機敏に対応できる活力あふれる市場となっています。
 また生鮮食料品を扱う市場にふさわしく、環境衛生設備・検査機能設備などを完備しています。さらに立地的には善光寺平のほぼ中央、長野の市街地からもさほど遠くない環境に位置し、上信越自動車道の長野IC/須坂長野東ICの両インターチェンジ、国道18号篠ノ井バイパスに近接し、国道19号長野南バイパスとは直結するなど、物流基地としてのポテンシャルの高さを持っています。
 現在の地(長野市市場)に市場団地が完成してから30年が経過しました。その間、長野中央市場協同組合、株式会社長野地方卸売市場、長野卸売市場協同組合三者が一体となって市場団地の運営を推進してきたことは、民設民営市場の成功例のひとつと自負しています。
 インターネットをはじめとする情報化社会の中で、生産と消費を直結するいわゆる「中抜き」の動きが、流通業にとって手強いライバルとなりつつあるわけですが、我々卸売業者は、プロフェッショナルな視点で商品を見極め、安心・安全を保証しながら、健全な経済活動の中で多くの生産者と多くの消費者の仲立ちをし、また一方では関連商材を含めて地域の食卓に安定供給をする立場にいますし、地域のサプライチェーンを停滞させることなくマネージメントしていきたいと考えています。